美白

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美白

美白(びはく)とは、色素沈着が少なく、かつ光の反射量が多い、明るい美しい肌の色ことをいう。主にの肌について用いられる。

人間の皮膚は、人種によってその色合いが異なるが、これは皮膚中に存在するメラニン色素に負うところが大きい。(宮地良樹 ほか 「化粧品・外用薬研究者のための皮膚科学」p.11 から引用)肌の色には、皮膚下に存在する毛細血管中を流れる血液の色、すなわち赤血球ヘモグロビン)の色が影響する。このため、生物として生活している限りは、純白であることは困難だが、美白はできるだけ白に近づくことを目指している。

日本では、肌が白くくすみシミが無い状態を好む価値観は古くから存在し、「色の白いは七難隠す(色白の女性は、少しぐらい醜い点があっても、目立たない。)」ということわざもある。「ウグイスのフン」が色白になる洗顔料として利用されていた。

「美白」という言葉は1990年代後半に美容研究家・料理研究家である鈴木その子が提唱して流行した観がある(→ブーム)が、実際にはそれ以前から、シミ・ソバカス等のメラニンによる肌トラブルに対するスキンケアを指す言葉として使われていた。

この美白指向は、1990年代初頭から次第に女子高生などに広がったガングロなど、過度に日焼けするギャルファッションの対抗文化的な側面が存在する。

方法

色素沈着によって皮膚が黒くなるのはメラニンによるものである。

メラニンは、細胞の中に存在するメラニン生成酵素チロシナーゼが紫外線などにより活性化されることにより生成する。 よって、色素沈着が少ないより白い肌になるためには、メラニンの生成を抑え、皮膚中のメラニンの排出を促す必要がある。 メラニン生成の抑制は紫外線等の外部刺激から肌を守ることや、メラニンの生成を抑える化粧品(美白化粧品)を用いる方法が一般的である。そして、メラニンを老廃物として排出するために健康的な基礎代謝が必要である。


美白化粧品であることを公にうたうためには、厚生労働省に認められた美白有効成分が配合されている必要がある。美白有効成分には、主にアルブチンコウジ酸が挙げられる。その他ビタミンC誘導体、ルシノールトラネキサム酸など十数種類がある。(厚生省医薬安全局審査研究会 「医薬部外品原料規格2006」参照)多くの美白有効成分は、メラニンの生成に重要なチロシナーゼと呼ばれる酵素に、直接的あるいは間接的に働きかけ、メラニン生成を抑える働きがあるとされる。


美白化粧品の効果は、「メラニン生成によるしみ・そばかすを防ぐ」化粧品である。 化粧品は、治療ではなく美容目的であるため(薬事日報社「薬事法」第二章 逐条解説第六十二章 参照)、肌本来の色そのものが白く変化したり、できたシミソバカスをなくすことはない。


治療としては、ハイドロキノン等の脱色剤など化学薬品の処方を受け利用することができる。


そのほか、十分な水分に満ちた肌は光をより多く反射し、白く美しく見せる。(福井寛 「美肌の科学」p.89 参照)そのため、しっかりとした保湿も大切である。


美白化粧品の問題

2013年7月、カネボウ化粧品(および関連会社のリサージ、エキップ)で製造販売された、医薬部外品有効成分ロドデノールを配合した美白化粧品を使用し、まだらに白くなる白斑様症状の被害が相次いでいると発表、7月19日までに2,250人が重い症状を訴えていると発表した[1]。カネボウは製品の自主回収している。

脚注

外部リンク