悪徳商法

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悪徳商法(あくとくしょうほう)は、悪質な者が不当利益を得るような、社会通念上問題のある商売方法であって、例えばマルチ(まがい)商法による販売などが代表的である。多くの場合、被害者は消費者であるが、企業(ことに中小零細企業)や個人事業者のこともある。また、問題商法(もんだいしょうほう)または悪質商法(あくしつしょうほう)とも言う。

なお、警察、消費生活センターなどでは問題商法または悪質商法ということが多く、ほとんど悪徳商法とは言わない。マスコミや一般の人は、悪徳商法ということが多い。近年20歳で成人を迎えて間もない人たちをターゲットにする悪徳商法が増加している。法律的には成人とみなされても、彼らには社会的な経験や知識が少なく、そこにつけこんだものである。

特徴

以下の特徴のいずれか1つ以上に該当する商売方法は、概ね「悪徳商法」である。

広告・勧誘・契約方法などに問題があるもの

  • 意思の合致がないのに、一方的に契約の成立を主張するもの。
  • 勧誘目的を隠して、接近してきたり、誘い出したりするもの。 - 当選商法デート商法など。
  • 申し込みをしてないのに、商品などを一方的に送り付けるもの。
  • 水道局消防署電力会社NTTなどの官公庁や公共企業の職員を騙ったり、暗示して、接近してくるもの。
  • 大手企業や有名企業の関連会社や子会社を騙ったり、暗示して、接近してくるもの。
  • 虚偽・誇大な広告など。
  • 効果や結果などが断定できないのに、断定調で広告や勧誘をするもの。 - 「最低でも2kgは痩せます」「○○株は必ず上がります」など。
  • 金融商品などリスクを伴う商品やサービスなどについて、期待できる利益ばかりを強調して、予測されうる不利益について説明を十分に行わないもの。
  • 契約内容について十分な説明をしなかったり、検討する時間を十分に与えず、早期の契約締結を迫るもの。
  • 勧誘を拒んでも、再び勧誘するもの。
  • 強迫詐欺などを手段として、契約を締結させるもの。
  • 営業所などに監禁や退去妨害をして、契約を締結させるもの。
  • 自宅などに居座り、不退去で契約を締結させるもの。
  • 勧誘を行う時間帯が、深夜や早朝など社会通念上不適切なもの。
  • 異常に高揚した心理状態で契約を締結させるもの。 - 催眠商法(SF商法)など。
  • 迷惑な方法で広告するもの。 - 迷惑メール・勤務時間中の勤務先への電話による販売勧誘など。
  • 児童などの未成年者高齢者認知症など契約内容を十分に理解できない者に、契約を締結させるもの。 - 高齢者や認知症患者への住宅リフォーム(改装)など。
  • マルチ商法マルチまがい商法
  • 霊感的な説明や疑似医学的な説明で消費者の不安感を煽り、商品を売りつけるもの。
  • 福引きやクジで”当選”した(2位というケースが多い)として、強引に携帯電話有線放送の契約を結ばせる(「実は2位でした商法」とも言われる)。

商品やサービスなどに問題があるもの

  • 商品やサービスなどが劣悪なもの(攻略法詐欺、情報商材商法など)。
  • 商品やサービスなどが、その価値と比べて著しく高額であるもの。
  • 社会通念上、価値の無い「資格」(通常は民間資格)を取得させるもの。
  • サクラ(おとり)がいるもの(悪質な出会い系サイトなど)。
  • 商品の原材料、産地、消費期限などに対して、虚偽の品質表示を行うもの(虚偽表示産地偽装など)。

1万1200円のキャビアの仕入れは840円。料理の価格は本物をベース…近鉄旅館システムズ(2013年11月)

社長の辞任表明に発展した近鉄旅館システムズが運営する施設のメニュー虚偽表示問題で、食材の産地や品種の偽装が判明した5施設の23品目のうち、同社が明らかにした8品目(4施設)の実際の仕入れ値は、多くが、メニュー通りだった場合の3割程度だった。1割以下の価格のものもあった。

近鉄旅館システムズは、経費節減のための組織的な偽装を否定しているが、「料理の価格は、本物をベースに決めていた」と認めた。

チョウザメの卵「キャビア」の偽装が明らかになった料亭・百楽荘(奈良市)。会席料理の一品として提供したのは、ダンゴウオ科の「ランプフィッシュ」の卵を黒く着色した模造品だった。過去に仕入れた実績のあるキャビアは100グラム1万1200円。世界三大珍味とされる高級食材だが、その1割にも満たない840円で仕入れていた。

旅館・奈良万葉若草の宿三笠(奈良市)は、奈良県特産の地鶏「大和肉鶏」や、「三輪素麺」などを偽装。修学旅行生らに「奈良らしいものを出したい」と考えたためという。1キロ・グラムあたり3300円の大和肉鶏の代わりに、1000円程度のブラジル産鶏肉を使用。県南部・吉野地方で作られ、1キロ4000~5000円する吉野葛を使っているとした餅には、1200円の県内産の別の葛を使っていた。

近鉄旅館システムズの北田宣之社長(59)は、6日の記者会見で「コスト削減のためでは」と報道陣に問われ、「(現場に)そこまでの悪意があったとは思えない。(メニューの)見栄えを良くするためだった」と否定。しかし、担当者はその後の取材に対し、「料理の価格は、本物を使うことを想定して決める」と答えた。

契約の履行や解約などに問題があるもの

  • 商品やサービスに関する契約を全く履行しない、あるいは不誠実・不完全な履行しかしないもの。
  • 解約が可能なのに、解約させないもの。
  • 解約に応じるが、不当な解約手数料違約金などを要求するもの。
  • 解約は、コールセンターで受け付けると記載されているがコールセンターは、「只今、電話が込み合っております。しばらくお待ち下さい・・・」というガイダンスが繰り返し流れるだけでほとんど繋がらない。(繋がりにくい状況の中で消費者に解約を諦めさせる)

個人情報の扱いに問題があるもの

  • 勧誘や取引に際して知り得た個人情報を、正当な理由もなく漏らしたり販売するもの。 - 顧客情報の名簿業者への販売など。

犯罪であるもの・犯罪になってしまう可能性があるもの

上記の各項目と結果的に重なるものもあるが、犯罪であるもの。無知あるいは不本意ながらにせよ、犯罪になってしまう可能性のあるもの。

実際は、上記の複数の項目に該当するものがほとんどである。

過去最悪211億円被害=上半期の振り込め詐欺など―1日1億円超(2013年)

振り込め詐欺など「特殊詐欺」の被害額が、今年1~6月で211億6708万円に上ったことが8日、警察庁のまとめで分かった。過去最悪だった昨年の上半期を約56億円(36%)上回り、1日平均1億円を超えている。

増加が目立つ手口は、息子を装って使い込みや借金の穴埋めを無心する「おれおれ詐欺」で、約24億円(52%)増の約72億円。インターネットの有料サイト利用料などの「架空請求詐欺」は3倍以上に増えて約24億円、医療費を返すなどと偽る「還付金詐欺」は約8億円に倍増した。

パチンコ攻略法など「ギャンブル必勝法の情報提供」を名目にした詐欺も、約13億円で4倍に増加。最近は「ロト6(数字選択式宝くじ)の当選番号が事前に分かる」とうそをつく手口が急増し、半数以上を占めた。金融商品の取引を装った詐欺は約84億円で2%減ったが、被害額は最も多かった。

50音順一覧

必ずしも悪徳商法とは言えないが、勧誘方法などによっては悪徳商法となりやすく、消費者が警戒心を持つべきものを含む。Category:悪徳商法も参照。

新たな商法

「送りつけ」商法の被害急増、代金引換を悪用(2013年8月)

注文してもいない健康食品などを一方的に自宅に送りつけられ、代金を請求される被害が高齢者を中心に急増している。

1~6月の半年間で421件あり、被害総額は1400万円を超える。犯人側は、宅配業者が発送者に代わって代金を徴収するサービスを悪用するケースが多い。代金回収の際に被害者に姿を見せる必要がなく、警察庁幹部は「摘発を逃れる新手の手口だ」と警戒している。

「送りつけ」商法の被害は過去にもあり、今年1月も16件あったが、その後、右肩上がりに増加。6月には123件に上った。半年間の被害計421件のうち、86%の362件では60歳以上が被害に遭っていた。

犯人側が悪用しているのが「代金引換サービス」。

宅配業者が商品を届けた際、発送者に代わって受取人から代金を受け取る仕組みで、被害件数のうち371件(88%)は、このサービスが使われていた。宅配業者は事情を知らないことから、被害者は支払いを拒みにくい状況に追い込まれるという。

パワーヘルスで妻若返る?…根拠なしと措置命令(2013年10月)

頭痛や肩こりなどを緩和する家庭用治療器の販売の際、「腰痛や視力、糖尿病などが治る」と根拠のない説明を口頭でしたとして、消費者庁は17日、医療機器販売会社「ヘルス」(東京都府中市)に景品表示法違反(優良誤認)で再発防止などを求めた措置命令を出した。

口頭説明(セールストーク)への同法適用は2009年の同庁発足後、初めて。

同庁によると、同社は2010年11月~2013年4月、全国で無料体験会を開き、高齢者らに家庭用電位治療器「パワーヘルス」(1台50万円前後)を販売。

治療器は頭痛や肩こりなど四つの症状に一定の効果があると薬事法で認められているが、販売員らは他の症状についても「治る」と説明。「妻が若返った」「ゲートボールが上手になる」などのセールストークもあり、同社元従業員は取材に「とにかく『治る』と10回以上言うよう指導された」と話した。

婚活で交際…実はセールス。マンション購入後疎遠に。男女12人が集団提訴(2014年2月)

「婚活サイト」で知り合った交際相手はセールス目的で勧められて不要な投資用マンションを買わされた後、遠ざかっていった…。

同様の被害に遭ったと主張する男女12人が26日、元交際相手が勤務する不動産関連業者などを相手に総額約2億円の賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こす。

国民生活センターによると、同じ被害が全国の都市部などで急増している。

集団訴訟の原告は30~40代の女性10人と男性2人。訴状などによると、サイトを通じて知り合った相手とデートなどを重ねていたところ、勧められてローンを組み、平均約2800万円のマンションを購入した。1人で2戸買った原告もおり購入後、相手と疎遠になったという。それぞれの元交際相手は、都内の5業者の従業員で、ほとんどの場合、交際時には肩書や目的を明かしていなかった。

原告側は「結婚を望む真剣な気持ちに乗じ、利回りが期待できない物件を高く買わされた」と批判。安易に融資審査をした責任があるとして、金融機関3社にも賠償を求めている。

対処法

悪徳商法への対処法は、次のようなものが一般的である。消費生活センターや悪徳商法に詳しい弁護士司法書士行政書士にも相談ができる。外部リンクも参照。

  • 民事
    • クーリングオフ制度による申込みの撤回、又は契約解除。
    • 消費者契約法に基づく契約の取消や、消費者の利益を一方的に害する条項の無効。
      • 被害額は少額だが被害者が多数にのぼるサービスを提供している業者に対しては、消費者団体訴訟制度によって訴訟を行うこともできる(被害額が少額だと泣き寝入りすることが多かったが、この制度によってNPO法人等が代理で訴訟を起こすことができる)。
    • 民法に基づく錯誤・詐欺・強迫による契約の無効。
    • 個別の業法に基づく消費者保護規定の活用。
    • 民事訴訟
  • 刑事
    • 犯罪性のある場合は、警察被害届を提出したり、告訴告発を行う。断ってもセールスマンが退去しない(不退去罪)、しつこいなど急を要する場合には110番通報してもよい。
  • 行政

企業・団体・事件

一般の企業が企業ぐるみで犯した罪などは企業犯罪を参照の事。

よく扱われる商材

悪徳商法で扱われることの多い商品やサービスなど。すべてが悪徳とは限らないが、問題となることが多い。基本的に一般人では即座に理解しにくいものが選ばれる。

高額商品

一見して値段がわかりにくい物を販売し、法外な利益を得る。

生活関連商品

「健康に悪い」などと心理的不安を煽り不要な物、効果の無いものを高額で販売する。疑似医学を取り入れている場合が多い。

話題の単語、新技術

ニュースなどで取り上げられた新技術などの話題の単語を利用し、相手がよく知らないことに付け込み勝手な説明をつけて、必ず利益が出ると誤解させ契約する。また、実際には存在しない新技術、単語自体を創作し、騙すものもある。

その他

関連項目

行政機関

制度

もう泣き寝入りせぬ…悪徳商法で一括救済の法案(2013年4月)

政府は4月19日午前、悪徳商法などの被害者に代わって特定の適格消費者団体が訴訟を起こすための手続きに関する特例法案を閣議決定した。

被害額が少なかったり、訴訟の負担が重かったりして泣き寝入りしてしまうことが多い消費者被害を一括救済する新たな仕組みで、今国会での成立、2016年春までの施行を目指す。

対象となるのは、共通の業者により多数の消費者に被害が多発したトラブル。ネット通販で購入した商品が粗悪品だったり、英会話教室やエステを途中解約したりしても代金の返還に応じてもらえないケースなどが想定される。

手続きは2段階に分かれる。まず、特定適格消費者団体が、業者に多数の消費者に対する「共通の支払い義務」があることを確認する訴訟を提起する。共通義務が確認された場合は公告し、同じトラブルを抱える消費者に広く通知する。被害者が団体に被害を届け出ると、裁判所が賠償額を確定し、分配する仕組み。

法律

用語

人物

その他

参考文献

  • 大山真人(著)『悪徳商法 あなたもすでに騙されている』文藝春秋(文春新書、2003年6月21日、ISBN-10: 4166603221、ISBN-13: 978-4166603220)
  • 国民生活センター(監修)『悪質商法のすごい手口―ここまで巧妙ならみんなだまされる!知っておきたい被害の実態と対処法』徳間書店(2009年4月、ISBN-10:4198626022、ISBN-13:978-4198626020)
  • 西田公昭(著)『だましの手口』PHP研究所(PHP新書、2009年3月14日、ISBN-10:4569706460、ISBN-13:978-4569706467)

脚注

  1. 産経WEST 2014.9.15 18:00「「中国富裕層が土地探している」と? 3人を容疑で逮捕」

外部リンク