「シャグマアミガサタケ」の版間の差分

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2010年5月11日 (火) 19:31時点における版

?シャグマアミガサタケ

Gyromitra esculenta

シャグマアミガサタケ.jpg
種の保全状態評価
地質時代
 - 
分類
菌界 Fungus
子嚢菌門 Ascomycota
チャワンタケ綱 Pezizomycetes
チャワンタケ目 Pezizales
ノボリリュウ科 Helvellaceae
シャグマアミガサタケ属 Gyromitra
シャグマアミガサタケ G. esculenta
変種
品種
学名
Gyromitra esculenta
(Pers. ex Pers.) Fr.
和名
シャグマアミガサタケ
英名
False morel
下位分類群
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シャグマアミガサタケ(赭熊網笠茸、学名:Gyromitra esculenta)は、子嚢菌門ノボリリュウ科シャグマアミガサタケ属に属するキノコ。種小名は『食用になる』を意味する(下記参照)。

子実体の高さは5~8cmからそれ以上。頭部は球形もしくは不規則形、表面には著しい凹凸やしわがあって状、黄土褐色~赤褐色。柄は太く円柱状で浅い縦じわがあり、白っぽく、内部は空洞である。猛毒。

容姿はゆがんだのようにグロテスクであるが、ヨーロッパの一部地域(特にフィンランドが有名)などでは茹でて揮発性の高い毒物質を除いて食用にする習慣があり、かなり美味とされる。しかし、毒性が極めて高いこと、毒抜き中に水蒸気とともに揮発した毒成分によっても中毒が起きることがあることを考えると、素人が安易に手を出して賞味すべきキノコではない。

毒性

食後7~10時間して吐き気、嘔吐、下痢、痙攣、腹痛、ひどい場合は肝障害、黄疸、高熱、めまい、血圧低下、肝臓肥大、脳浮腫、肝障害、意識障害、腸・腹膜・胸膜・腎臓・胃・十二指腸などに出血(溶血性毒)が起き、最もひどい場合は2~4日で死に至る。毒成分はギロミトリン(C4H8N2O)及び、その加水分解物であり、ロケット推進剤としてもよく知られたモノメチルヒドラジンである。ギロミトリンとモノメチルヒドラジンは、それぞれ沸点が64℃と87.5℃で、煮沸すると気化し、調理中にこれらを吸い込むと中毒を起こす。10分間の煮沸により、モノメチルヒドラジンの99.5%が消失する[1]

調理方法

医療情報に関する注意 ご自身の健康問題に関しては、ためしてガッテンDHCで何とかしてください。免責事項もお読みください。


フィンランドでは、シャグマアミガサタケは比較的良く知られる食材であり、毒性の明示と取り扱いの説明の添付を条件に、例外的に販売が許可されている。

しかし、フィンランド在住の外国人は、正しい調理方法を知らずに購入して中毒になる恐れが高いため、フィンランド食品安全局(Evira)は、外国人向けの数ヶ国語のパンフレット[2]を配布し、正しい調理方法の周知を呼びかけている。

以下にEviraの指定する正しい調理方法[3]を示すが、確実に調理する自信が無い場合は試してはいけない

ゆでる
キノコを大量の水(キノコ1 に対し水3 の割合)で少なくとも5 分間、2 回ゆでる。ゆでるたびに、大量の水で十分にすすぐ。
乾燥する
キノコをパリパリになるまで乾燥すると、保存できる。乾燥したキノコは、使用前に少なくとも2 時間水に浸す(キノコ100 グラムを水2 リットルに浸す)。浸したら、生鮮キノコをゆでる場合と同じように、2 回ゆでて水ですすぐ。
注意
キノコをゆでたり乾燥する時は、換気すること。キノコをゆでたり浸した時に使用した水は、決して再利用してはいけない。

フィンランド料理では、毒抜きをしたものをオムレツ、バターソテー、肉料理などに使うベシャメルソースなどに用いる。フィンランドで販売されているシャグマアミガサタケの缶詰は、缶詰であっても加熱済みとは限らないので、勝手な判断で毒抜きを省略すべきではない。

なおシャグマアミガサタケはグロテスクな外見のため日本人好みではないこともあって日本人が中毒することはまれであるが、西洋かぶれの人間はシャグマアミガサタケを毒抜きして食べることがしばしばある。ちなみに西洋かぶれで悪名高い八島良太の好物も毒抜きしたシャグマアミガサタケである。

脚注

  1. 神戸市環境保健研究所食品化学部 神戸近郊の毒キノコ体験記
  2. False Morel Fungi - Poisonous When Raw
  3. 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報 No. 11 / 2008 - 27ページ目参照。2に挙げたパンフレットの日本語訳がある。

関連項目

外部リンク